将来キャッシュフローの算定

将来キャッシュフローの総和を見積もることが企業価値を算定する上で重要だと、以前述べましたたが、それでは企業価値を算定する上でどのように見積もるのかを考えていきます。

まずは予想の営業利益の見積もりからです。四季報とかをみますと、ざっくりではありますが一応ある程度調査した上での数値がのってますね。それを使用してもよいし、自分でもっと強気(弱気)な見方がある場合にはその数値をとりあえずスプレッドシートにでも入力してみます。
この辺の予想は正直毎回、全ての投資候補先で当てることはほぼ不可能な分野でもあったりするので、できるだけ保守的にみたほうが良いとは思います。

そこにキャッシュアウトアイテムとして、法人税の支払いを入力します。非常に簡易的ではありますが、営業利益に対して法人税率の32%程度をかけます。(繰越欠損金がある場合はまた別です)

次に損益計算書を通っているものの、実際にはキャッシュイン(アウト)がない項目を調整します。
まず、減価償却費は費用として損益計算書を通っているものの、実際にキャッシュアウトアイテムではないので、これは足し戻します。

今度は逆に損益計算書(PL)を通っていないものの、キャッシュアウトとして存在しているものもあります。
設備投資額はまさにPLを通ってはいませんが、キャッシュアウト項目ですので、この数値は減産します(キャッシュフロー計算書の固定資産の取得がこちらに該当します)。
その他では運転資本の増減というものがあります。これは少し概念としてややこしいですが、売掛金、在庫、買掛金の3つが運転資本のメインの構成です。
売掛金ですが、これはPLで売上金として計上されているものの、まだキャッシュインがないものです。貸借対照表(BS)に売掛金として計上されているものがありますが、前期と比較してこちらが増加している場合は、その分のキャッシュインがまだされていないということになります。
在庫はまだPLを通っていないものの、実際にはキャッシュアウト(実際仕入れを行ったり、生産してるので)済みのものです。これもBS上に計上されており、前期と比較して増加している分はその分キャッシュアウトしているというふうに理解できます。(減少していればその分キャッシュインがあったということになります。在庫評価減等がなければですが。。)
買掛金はPLを既に通っているものの、まだキャッシュアウトがされていないものです。これも上記2つと同様にBSに計上されており(負債側に)、増分は逆にキャッシュイン(と、いうよりキャッシュアウトしてなかった)という風に捉えられます。

以上をまとめると運転資本の増減は。。(買掛金の増減分)-(売掛金の増減分)-(売掛金の増減分)となります。

キャッシュフローという観点で考えると、売上がものすごく伸びていても、実はキャッシュインは結構遅れて入ってくるものですよということがここのポイントであります。逆に売上が伸びなかったことによって、キャッシュイン自体はPLの数値と比較するとありましたというような自体があるということも重要です。できるだけ、売掛金の回収、在庫の消化は早く、買掛金の支払いはできるだけ遅くというのがキャッシュフロー上はプラスですね。

それ以外になにかPLを通っていないけどキャッシュイン(アウト)があるもの、PLを通っているものの、キャッシュイン(アウト)の実態を反映していないものがあれば調整項目として加算減算しますが、大きな額が想定されない限りはある程度存在しないものとしてもOKなケースが多いです。

Unlevered FCF = 営業利益x(1-法人税率)+減価償却-設備投資額+運転資本増減±その他

こうして計算されたものがいわゆるUnlevered FCFと言われます。簡単に言うと、借入金利などを考慮する前におけるFree Cash Flowということです。これが企業の生み出す本源的キャッシュフローということになります。
過去のキャッシュフロー計算書上の営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計額を見てしっかりと保守的な見積もりになっているか確認することが肝です。

これを現在価値に引き直したのものが将来キャッシュフローの合計ということになります。現在価値についてはまた別途。。

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